スポーツの種類を問わず、肩は痛めやすい部位です。特に野球選手は、投球で肩に過度な負担がかかり、痛める選手は少なくありません。また、肩こりなどで硬くなった筋肉に急な負荷がかかり痛める方も多いです。
そこで、ここでは、スポーツによる肩関節疾患の例と原因をご紹介します。
スポーツで生じる肩関節疾患
インピンジメント症候群
「インピンジメント症候群」とは、肩を上げた際に、一定の角度で引っ掛かりや痛みを感じ、それ以上肩を上げられない症状の総称です。概ね、60度から120度の間で痛みを感じることが多いです。悪化すると、夜間でも痛んだり、筋力低下につながることもあります。
肩のインピンジメントには、「肩峰下インピンジメント」と「インターナルインピンジメント」の2種類があります。
肩峰下インピンジメント
症状の特徴
肩峰と上腕骨の間には、クッションの役割を担う「肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)」という袋が存在します。「肩峰下インピンジメント」は、肩関節を伸展・外転(テイクバック)した場合に、肩関節痛を生じる症状です。また、別名「エクスターナルインピンジメント」とも呼ばれます。
原因
肩峰下インピンジメントは、後下方の関節包が拘縮や肥厚したり、後方の三角筋後部線維や上腕三頭筋などが過度に緊張状態になり、生じることが多いです。また、野球などで、ボールが手から離れ腕が振り下ろされるまでのフォロースルー期に、踏み出す足の体重移動が不足することも一因です。投球側の肩関節が水平内転・内旋過剰になり、肩峰下インピンジメントを生じやすくなります。
インターナルインピンジメント症候群(後上方)
症状の特徴
肩関節を安定させ、衝撃から守るのが、関節周辺の「関節唇」という軟骨組織です。「インターナルインピンジメント症候群(後上方)」は、投球のフォロースルー期に、上腕二頭筋長頭腱が引っ張られ、上方関節唇が損傷して生じる症状です。
症状のメインは投球動作の際の肩の疼痛です。通常、肩関節の可動域制限は見られません。しかし、部位や程度によっては、日常動作でも痛みを生じることがあります。
原因
インターナルインピンジメント症候群(後上方)は、肩関節外転外旋時に、腱板の関節包面が関節に衝突して傷がつくことで生じます。この点、肩峰下インピンジメントが、腱板や滑液包が衝突して生じるとのと異なります。
インターナルインピンジメント症候群(前上方)
症状の特徴
フォロースルー期の肩関節屈曲内旋時に、肩関節前上方に痛みを生じる症状を、「インターナルインピンジメント症候群(前上方)」といいます。
原因
前上方のインターナルインピンジメント症候群は、肩甲下筋が付着したり、上腕二頭筋長頭腱が関節部と衝突して傷つくことが原因で生じます。また、投球しない方の足への体重移動が不十分なことが原因の一つと言われています。
胸郭出口症候群(TOS)
症状の特徴
首と胸の間にある通路のことを「胸郭出口」といいます。「胸郭出口症候群」は、首から脇の下を通る神経が圧迫されて生じます。骨、靭帯、腱などが刺激されることで生じる、末梢神経と血管の障害です。
具体的には、上肢のしびれ、腕に力が入りにくい、肩や腕の痛みなどの絞扼性神経障害を発症します。しびれや刺すような痛みを伴ったり、握力の低下に繋がることもあります。肩の上げ下げを繰り返すスポーツ選手に多いのが特徴です。
原因
上肢や頸部の感覚や運動を司る「腕神経叢」と「鎖骨化動脈」は、次の場所を通ります。
①前・中斜角筋の間
②鎖骨と第1肋骨の間
③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部後ろ
そして、神経や動脈が、①②③の場所で圧迫・締め付けられることで症状が発症します。
肩関節のスポーツ疾患でお悩みの方へ
野球、テニス、バレーボールなど、投球動作を伴うスポーツでは、肩関節疾患は少なくありません。「これ以上肩を上げなければ大丈夫」と我慢する人もいらっしゃいます。しかし、肩関節疾患を放置すると、筋力低下・握力低下など、影響が広がります。また、しびれや痛みで日常生活にも支障を生じることもあります。
詩庵鍼灸接骨院では、痛みの根本治療を行っています。今以上にスポーツに邁進できるように、今日以上に良いパフォーマンスが発揮できるように、全力でサポートします。
ご自身の症状が鍼灸治療の対象なのか
どういった病院で治療を受けるべきなのか
痛みの原因がよく分からないがとにかく治したい
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