呼吸に最も関連する筋肉は肋間筋と横隔膜です。
高い声を出す、大きな声を出す時に横隔膜と腹筋群の収縮が大事になります。
横隔膜は単独で動かすことはできないので腹筋群の動きと連動して収縮します。
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横隔膜と連動している筋肉を緩める
筋肉は筋膜に包まれています。
わかりやすく表現するとソーセージみたいな感じです。
筋繊維の周りが膜で覆っている状態です。
筋膜は他の筋肉と膜同士で繋がっているのです。
その膜の連結(アナトミートレイン)を利用して治療することで横隔膜の緊張を改善し呼吸をスムーズにして高い声や大きな声を出しやすくすることができます。
腹筋群だけでなく足や首の筋肉と連動しているのでこれらの筋肉を治療していきます。
呼吸筋の緊張や疲労が強くなると喉を痛める原因にも
歌う方々はは呼吸筋の緊張や動きが悪くなると喉に負担がかかり声帯炎、声帯結節、声帯ポリープの原因にもなります。
それを防ぐために横隔膜、肋間筋をいい状態に保つためにしっかりとした治療が必要になります。
呼吸が浅くなると
- 脳に酸素が行き渡らないと集中力が低下する
- 自律神経の乱れやすくなる
- 気分が下がりやすい
歌う人だけでなくデスクワークで姿勢が悪くなると呼吸が浅く横隔膜などの筋肉が癒着(固まる)して呼吸の質が下がるので治療が必要になります。
横隔膜を治療する筋肉
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 膝窩筋
- 大内転筋
- 腸骨筋
- 大腰筋、小腰筋
- 腰方形筋
- 斜角筋
- 咬筋
- 側頭筋
などの筋肉が横隔膜と関連します。
これらの筋肉の緊張を改善し横隔膜を治療し呼吸をしやすくして歌うパフォーマンスを上げていきます。
後脛骨筋
後脛骨筋は脛骨と腓骨の間にある筋肉です。
脛骨の裏側を沿うように鍼を刺入することで効率よく緊張を改善します。
長趾屈筋
脛骨の内側の骨を沿わすように鍼を刺入することで緊張を改善します。
喉や咽頭部の粘膜に関連する治療も同時にできるので声枯れ、上咽頭炎、声帯の疾患も同時に治療できます。
ツボでいう脾経の三陰交、漏谷、地機です。(他にも粘膜消炎処置のツボはあります。)
大腰筋
腸骨の際から腰椎に向けて鍼を刺入することで大腰筋の緊張を改善します。
大腰筋は腰椎から腸骨の前側を通り腸骨筋と合わさり大腿骨に停止します。
腰痛がなかなか治らない方は大腰筋の緊張がとても強いのでしっかりと治療する必要があります。
大腰筋が緊張→骨盤の歪み→姿勢が悪くなり腰痛に繋がります。
腰方形筋
腰方形筋は体幹の側屈に作用する筋肉です。
体を横に倒したときに腰に痛みを感じる方はこの筋肉に何らかの原因があると考えます。
斜角筋
斜角筋は第一、二肋骨に付着します。
呼吸時に肋骨を引き上げ呼吸の補助をする筋肉です。
首のコリや可動が悪い、指のシビレがある場合この筋肉の緊張が強いです。
第四頚椎の横から横突起に向けて鍼を進めることで緊張を改善します。
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は胸骨、鎖骨に付着し呼吸時の胸骨、鎖骨を引き上げ呼吸の補助をする筋肉です。
これに加えて僧帽筋や肩甲挙筋ので肩甲骨、鎖骨、胸骨を引き上げ筋肉が短く太く収縮するため咽頭腔を圧迫し狭めることになります。
この状態で歌い続けるとのど声や力み声になるリスクが上がり、喉に負担がかかりやすくなります。
このまま歌い続けると声帯結節や声帯ポリープなどの原因にもなります。
胸鎖乳突筋のポイント
- 乳様突起の縁
- 筋腹
に鍼を刺入することで筋肉の緊張を改善します。
側頭筋、咬筋
側頭筋と咬筋は口を閉じる咀嚼筋です。
歌う際に口の開閉が多いと口が開きづらくなります。
咀嚼筋の緊張が強いと顎関節症、ほうれい線、エラが張り顔が大きく見えるなど美容面でも影響が出る筋肉です。
緊張がとれると口の開閉がスムーズにな、顔のリフトアップ、ほうれい線やエラなどを改善することができます。
連動して横隔膜が緊張、治療で症状が改善
これらの筋肉のコリや緊張が強いことで横隔膜にも影響し呼吸運動に影響し大きな声や高い声を出す時のパフォーマンスが下がります。
横隔膜の緊張を改善すると同時に骨格の歪みを調整することでより大きな声や高い声を出すパフォーマンスを上げることができます。
最近歌いづらい、声が枯れやすい、高い声や大きな声が出ずらい歌手や声を生業にしている方
ただ腰痛が治らない、肩こり、頭痛が辛い、顔をリフトアップさせたい方はお気軽におお問い合わせください。