顔面神経麻痺

顔面神経麻痺とは何らかの原因で顔面神経が障害される総称です。

原因としてはベル麻痺が約60%ラムゼイ・ハント症候群が15〜20%
ベル麻痺と臨床診断される症例のうち、約20%は無疱疹帯状疱疹との
報告がある。

顔面麻痺の原因

抹消神経障害

片側性

  • ベル麻痺
  • ラムゼイ・ハント症候群
  • 腫瘍
  • 外傷
  • 炎症

中枢性障害

  • 脳血管障害
  • 多発性硬化症
  • 脳腫瘍

両側性

  • ギランバレー症候群
  • ライム病
  • サルコイドーシス

顔面神経の機能

運動神経→表情筋の運動、あぶみ骨筋反射

感覚神経→舌前2/3の味覚、外耳道・鼓膜などの温度感覚

副交感神経→涙、鼻汁、唾液の分泌

顔面神経麻痺の症状

表情筋の麻痺

  • 額のしわ寄せ不能
  • 兎目(とがん)
  • 鼻唇溝の消失
  • 口角の下垂、口輪筋の筋力低下

表情筋は顔面神経支配のため神経麻痺を起こすと筋力低下や
思うように動かせなくなり、しわ寄せができなくなる。

また涙腺、味覚、耳を支配しているため涙腺から水が出ず目が乾き赤くなり(兎目)
味を感じづらくなったり、音が響くような症状も現れることがあります。

ベル麻痺とラムゼイ・ハント症候群を比較

ベル麻痺

・50歳代に好発
・突然片側顔面の閉眼ができない→兎眼 
 口角が下がる、額のしわ寄せができない、
 食べ物がこぼれる、鼻唇溝消失
・耳介、顔面の疼痛、痺れ、味覚低下(舌前2/3)
 聴覚過敏、涙腺・唾液分泌の低下
→顔面神経麻痺の原因が特定できないとベル麻痺

軽傷:ビタミンB製剤
中等症:副腎皮質ステロイド

ラムゼイ・ハント症候群

・20歳代と50歳代に好発
・一側の耳介、外耳道、鼓膜、口腔粘膜に有痛性の
 水疱がみられる
・同側の末梢顔面神経麻痺症状がみられる
・同側の難聴や耳鳴り、めまい、眼振がある
→ラムゼイハント症候群(RHS)

RHSのうち無疱疹帯状疱疹(ZSH)は皮疹を認めないためベル麻痺と臨床診断される事が多いので注意が
必要

治療薬:副腎皮質ステロイド


鍼灸治療

①血行を良くして顔面筋の萎縮を防ぎ、神経機能を回復させる。
②機能回復の遅れている筋を中心に刺鍼する。

症状によっては顔面神経の近くに鍼を刺し電気を流す事で
顔全体の表情筋を動かして回復を促します。
美容鍼にも有効的です。

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