上咽頭炎の治し方

上咽頭炎の患者さんの実例

オペラ歌手の患者さんです。鼻の違和感や痛み、垂れる感じが抜けずに歌う時に困っていたようです。
なかなか良くならずに紹介で受診してきました。

上咽頭炎の原因はまだ解明されていないそうです。
しかし炎症が起こっていることは確かな事実です。鍼灸治療は炎症を取ることや自然治癒力を上げて回復を早める事ができます。

治療のポイント

  • ツボによる鍼灸治療で咽頭部の炎症を鎮める。
    咽頭部や呼吸器系の消炎処置は「脾、肺、心包」の経絡をメインで治療し抑えていきます。
  • 上咽頭部に近い「鼻」の治療で上咽頭部の自然治癒力を高め炎症を鎮める。
    症状で鼻の症状(鼻の後ろに鼻水が垂れる感じ、後鼻漏、痰、臭いがしづらい)など鼻の症状もあるので鼻周りを治療する事で炎症を抑えていきます。
  • 自律神経の調整
    自律神経が乱れる事で睡眠の質が下がったり、体が休まずさまざまな症状(不定愁訴)の原因になります。
    このような状態は99.9% 首肩背中のコリが強くなっています。これらの緊張を改善し心休まる時間を増やしより治療効果を高める事ができます。

継続的な治療で症状が改善し歌う時も問題なく歌えるようになったようです。
上咽頭炎の症状が改善してからも、継続的に鍼灸治療しているので、再発せずに歌うお仕事もいいパフォーマンスで歌えているようです。

原因

原因は明らかになっていませんが、次のようなものが考えられます。

  • ウイルス、細菌感染
  • 疲労や睡眠不足
  • ストレス、自律神経の乱れ
  • 体の冷え(特に首周り)
  • 空気の乾燥
  • 口呼吸
  • 逆流性食道炎

症状

  • 鼻、喉の違和感、痛み、乾燥感
  • 鼻の奥からのどに鼻水が流れる:後鼻漏
  • 痰、咳払い
  • 首、肩こり頭痛、頭重感
  • 声が出しづらい
  • 鼻の奥が匂う

呼吸器疾患だけでなく自律神経からくる肩こり、頭痛などの症状もあります。
上咽頭炎から耳の急性中耳炎、滲出性中耳炎、耳管狭窄症になることもあります。

検査

上咽頭は口を開けても確認できないので、内視鏡を使って検査する必要があります。

急性症状は炎症が起きているため赤くなっています。
慢性疾患の場合赤みが引いているので「異常がない」と言われることも多いようです。

治療

  • 薬物療法:抗生物質、消炎剤など
  • ネプライザー吸引療法
  • Bスポット療法

Bスポット療法は、塩化亜鉛を直接上咽頭に塗布する療法です。
特殊な綿棒に塩化亜鉛を染み込ませ、鼻から上咽頭をこすり薬を塗布し上咽頭の炎症をおさえていきます。
こする時間は数秒で、処置全体は1分ほどで終了します。
治療後はヒリヒリ痛みを伴い、慢性上咽頭炎の症状が強い場合は治療時に出血することもあります。
治療後数時間経てば痛みは落ち着き、その後上咽頭炎の症状も改善するケースが多く見られるそうです。

一度の治療で改善することもあるようですが、慢性上咽頭炎の場合は週に1〜2回を10回程おこなうようです。

予防

  • 喉粘膜の乾燥を防ぐ:こまめな水分摂取、マスクなどで保湿
  • 自律神経のバランスを崩し免疫力の低下を防ぐ:保温、規則正しい生活食事など

上咽頭炎は鼻の奥の粘膜が炎症が起きている状態で、鼻、のどの痛みや違和感、声が出しづらくなるなどの症状があります。呼吸器疾患だけでなく自律神経からくる症状もあるので、鼻の奥に綿棒を入れられたくない方や慢性的で症状がなかなか改善しない方は、鍼灸治療がおすすめかもしれません。
鍼灸治療では鼻、のどの粘膜を強化することができ、自律神経疾患や肩こり頭痛などにも有効です。

参照:上咽頭炎の「Bスポット治療」は痛い? 医師が治療リスクなど含めて解説

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