シンガー・声楽家・アナウンサーの方には、「本番直前なのに高音域が鳴らない」「生理のむくみで声が出ない」など、突然の状況に焦って余計に声が出なくなる方がいらっしゃいます。
鍼灸治療なら、リハーサル後、本番前でもできる治療があります。加えて、日ごろのメンテナンスによる長期的ケアが、最高のパフォーマンスの発揮につながります。
このページでは、本番前にできる鍼灸治療と効果をご紹介します。

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本番前の声枯れ・高音域の不調

大切な本番の前に声の不調に陥る原因として、次のようなものがあります。

・練習の頑張りすぎや、過密スケジュールで声帯炎になった
・体調不良で気管支炎になった
・生理や更年期障害で身体がむくんで声帯が閉じない
・スランプ、プレッシャー など

リハーサルで急に声が出なくなった、明日本番なのに声が出にくいなどの事態では、焦りや不安に駆られると思います。しかし、本番直前でも、鍼灸治療でできることがあります。

本番直前・楽屋に出張治療で声枯れが改善

本番直前、楽屋での刺鍼治療で声が復調した実例をご紹介します。

・症状:リハーサルで急に声がガサガサとかすれ、声帯が合わない
・考えられる原因:筋緊張、代謝の低下、過度な練習による炎症
・治療内容:首周りの経絡への刺鍼、関連する腕の遠絡への刺鍼

サントリーホールで歌う予定の患者様から、前日まで調子が良かったのに、本番前のリハーサルで急に声が出ない、ガサガサする、声帯が合わないので、何とかならないかと連絡がありました。
そこで、本番直前の楽屋にて、鍼灸治療を行いました。

写真のように、首周りに鍼を刺していますが、痛みや内出血はありません。
発声に悪影響は全くなく、出血やアザがないので、ドレスも安心して着ていただけます。

上記の治療によって、本番の1時間前に歌える状況に改善しました。
本番でも、いつも以上に声が出たと、見事に歌いきって舞台を終了されました。

患者様が、当日の診療と声の変化を詳しくブログに書いてくださいました。
高音が思うように出ない…息が続かない…声に芯がない…発声の悩みはココで解決!コンクール上位受賞者を輩出する”声の調律師”まおのブログ

症状別・本番前の鍼灸治療

本番前の治療として、西洋医療では、ステロイド吸入、抗炎症剤、抗生剤、利尿剤の処方等で対応されることが多いです。しかし、「副作用が辛く本番前は避けたい」「薬が効くまで時間がかかる」という方もいます。

鍼灸治療は、WHO(世界保健機関)でも48疾患への有効性が認められています
鍼灸の特徴に、「即効性があること」と「副作用がないこと」があります。
この特徴を活かし、本番前や前日には、以下のような治療を行います。

声帯が合わない・音域が狭い

考えられる原因:呼吸筋の筋緊張
対応:ノド周りの血流を上げ、筋緊張をゆるめる

発声は、筋肉の収縮で行われます。
筋肉の緊張が強いと声帯が動きにくくなり、「声帯が合いにくい」「音域がでにくい」などの症状が現れます。すると、周りの筋肉で補おうとして余分な力が入り、更に出づらくなっていきます。

筋緊張は、血流の改善で緩和できます。血液は、熱や酸素を運び、老廃物や二酸化炭素を回収するため、血流が悪くなると老廃物が溜まり、筋肉が凝りやすくなるからです。
鍼灸治療で、ノド周りの血流を上げると、コリが改善して筋肉の機能が上がり、発声しやすくなります。

声量が出にくい

考えられる原因:姿勢と筋緊張
対応:胸郭の拡大による呼吸機能の改善

呼吸は、胸郭の動きや背中の姿勢で大きく変わります。
息を吸うと胸郭が広がり、肺に空気が入ります。この時、背中の張りや筋緊張で背骨が丸くなると胸郭が開かず、吸える空気の量は激減します。

このケースでは、鍼灸と手技治療で、筋緊張をほぐし、骨格を調整します。姿勢が改善し、筋緊張が取れると、胸郭が十分に開きます。すると、大きく呼吸ができ、声量が出せるようになります。

声が枯れる、ノドがイガイガする

考えられる原因:ノドの粘膜の乾燥、炎症
対応:水分の代謝の向上

鍼灸治療では、五臓六腑の機能を調節することができます。
血流や、気の滞りが悪いと、体全体の代謝が低下し、水分も廻らなくなるため、声が枯れたり、ノドがイガイガするなど違和感を生じます。

この場合、ノドへの刺鍼だけでなく、関連する経絡への刺鍼が有効です。
一人一人の状態をみて、咽頭や扁桃に潤いを与えるように、足や腕のツボに刺鍼をして状態を改善していきます。

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原因別・鍼灸でできる声枯れ対策

上記では、ノドや声の不調別の本番の対策をご紹介しました。ここでは、症状の点から鍼灸治療のアプローチをご紹介します。

声帯炎や気管支炎への鍼灸治療

気管支炎を含む呼吸器系疾患は、鍼灸治療の有効性が認められている領域です。刺鍼によって血流を改善し炎症を鎮めます。また、刺鍼の刺激で自己回復力が促進され、免疫力が上がり早期の回復が望めます。

生理によるむくみの鍼灸治療

女性は、生理の影響で体がむくみ、声帯が閉じずらくなりがちです。これにより、声が鳴らない、高音域が出ないなどの影響が出やすくなります。生理痛・更年期障害・血の道など婦人科系疾患も、鍼灸の有効性が認められています。鍼灸で血行を整え、むくみの排出を促す施術により、声帯の状態を改善します。

筋緊張・張りを緩和する鍼灸治療

発声の際は、肺の動きと共に横隔膜が下がり外肋間筋が開きます。本番前の力み、抗炎症薬など服薬による肝臓の負担で腹が張り、この動きが制限される方は少なくありません。鍼灸で筋緊張や張りを緩和することで、パフォーマンスが上がり驚かれることが多いです。

スランプによる声の不調の鍼灸治療

鍼灸治療では、スランプに対して体と心の両方のケアが可能です。スランプに陥っている方は、声帯にも身体にも力が入り、筋緊張の状態が散見されます。筋肉や神経の張り(頚肩腕症候群/運動器系疾患)や、メンタル不調(自律神経失調症・神経症/神経系疾患)は、鍼灸の有効性が認められた分野です。スランプの不安による、身体と精神の緊張を和らげます。

ジストニアの鍼灸治療

ジストニアは、高い技術が必要な動作を、長く繰り返してきた部位に発症しやすいです。明確な原因は不明ですが、一定の動作を繰り返す中で発達した脳の機能に、状況の変化やストレスなどが原因で異常が生じるからと考えられています。

ジストニアの自然治癒は難しく、放置すると悪化すると言われています。鍼灸治療では、声帯をコントロールする10本の筋肉にアプローチします。ジストニアで多い声の裏返りは、地声を出す筋肉と、高音を出す筋肉のバランスを保てない状態と考えられます。そこで、鍼灸によって筋肉の張りと弛緩の力を調整し、症状の緩和を図ります。

シンガーにとって、ジストニアは人生に関わる大きな問題です。詩庵鍼灸接骨院では、西洋医療・東洋医療の垣根を超え、患者さんに最良の治療を行います。お一人で悩まず、まずはご相談下さい。一緒に取り組んでいきましょう。

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鍼灸治療による本番に備える日常のケア

本番で最高のパフォーマンスを発揮するには、日頃のケアも不可欠です。加湿やのどの刺激を避けることのほかに、鍼灸療法を取り入れることで本番に備えた対策をすることができます。

声帯結節・声帯ポリープの予防

声帯結節や声帯ポリープは、声帯を酷使することで、声帯がこすれて肥厚と炎症を起こしたり、血腫ができて生じます。定期的な鍼灸療法で、血行を促進し、筋肉の緊張を緩和させ、炎症や血腫のリスクを防ぐことができます。

筋緊張の緩和と姿勢の維持

プロシンガーでも、歌う時に無意識で背中や肩に力が入ることがあります。無理な姿勢で体に負担がかかると、痛みを生じたり、余計に力んで悪循環に陥ります。鍼灸で筋緊張を緩和し正しい姿勢を維持することで、楽な発声が可能になります。

ストレスのケア

のど・声帯はメンタルの状態が声にも影響しやすい繊細な器官です。それだけに、ストレスや不安感はできるだけ解消しておきたいものです。鍼灸療法の神経系疾患への有効性は、WHOでも認められています。

詩庵鍼灸接骨院で声の不調に対応した実際の例

生理中のむくみによる声枯れのソプラノ歌手の患者様

生理中に大事なコンサートがあり、声が鳴らずに詩庵に来院されました。
女性は、生理により体がむくみやすく、声楽家は声帯にも影響します。そこで、声帯の血行を促進し、体のむくみを排出する治療を行いました。あわせて、本番直前まで効果が持続するよう置き鍼の貼付を行いました。
これにより、本番で声帯が鳴り、体調も整い、いつも以上のパフォーマンスを発揮されることができました(ご参考:患者さんの声)。

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