頭の重さは4~5kgもあります。この頭を支える首、上半身と下半身をつなぐ腰は、日常動作でも痛めやすい部分です。スポーツでは、激しい動きが加わるため、より痛めるリスクが伴います。

ここでは、首(頚椎)、腰(腰椎)に多いスポーツ疾患の原因と特徴についてご説明します。

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頚椎・首のスポーツ疾患

頚椎椎間板ヘルニア

症状の特徴

脊柱を構成する一つ一つの円柱状の骨を椎体といいます。この椎体と椎体をつなぐのが椎間板です。椎間板は、ゼリーのような髄核を、袋のような繊維輪がくるむようにしてできています。

「頚椎椎間板ヘルニア」は、首の椎間板の組織や細胞の機能が減退(退行性変性)することで、繊維輪が破れ、椎間板が神経が通る脊柱管へはみ出る(脱出)症状です。発症すると、頸部から上肢に放散痛やシビレを生じます。放散痛とは、病気の原因部分と異なる場所に現れる痛みやシビレのことです。

頚椎椎間板ヘルニアは、特に頚椎の5〜6番目に発症しやすいです。この位置のヘルニアは、頸部から肩、上肢外側部や手指に、シビレや放散痛が出やすい特徴があります。

原因

頚椎椎間板ヘルニアは、加齢も影響するので、30~50代に多いと言われています。

スポーツでは、ラグビーやアメリカンフットボールなど、激しい接触を伴うスポーツ選手や、体操選手など大きな力が頻繁に加わる選手に顕著です。同じような動作の繰り返しも、頚椎椎間板ヘルニアを発症する原因になるので、練習量の多いプロスポーツ選手や若者も罹患しやすいです。
*斜角筋や小胸筋の筋緊張の増加でも、同じようなシビレや放散痛を生じるので、検査が必要です。

胸郭出口症候群

症状の特徴

胸郭出口症候群は、肩のスポーツ疾患でもご説明しましたが、首にも関連する症状です。

関節を動かす際に、骨・靭帯・腱などに刺激が加わることで生じます。末梢神経と血管が圧迫(絞扼)され、それより先の部位に障害を生じる絞扼性神経障害です。肩の上げ下げを繰り返すスポーツ選手に発症しやすい特徴があります。

特に、上肢の痛みとシビレ、頚肩腕痛が顕著に現れます。また、夜間痛、夜間の強いシビレ、手指の冷感、蒼白、易疲労感(体を使っていないのに疲れること)、筋けいれんを生じることもあります。さらに、頭痛、めまいなどの自律神経疾患を招く場合もあります。

原因

頚部の腕神経叢と鎖骨化動脈は、以下の3つの場所を通っています。
①前・中斜角筋の間
②鎖骨と第1肋骨の間
③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部後ろ
これらの場所で、腕の神経や鎖骨下動脈が圧迫され、末端神経などに症状が出ます。

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腰椎・腰のスポーツ疾患

腰椎脊柱分離症・腰椎すべり症

症状の特徴

背骨は、椎体と椎弓(腰椎の後ろから出るアーチ状の部分)でできています。腰椎脊柱分離症は、椎体と椎弓が分離して生じます。これは、上下関節の突起部の結合(骨性連結)がなくなった状態です。

腰椎脊椎すべり症は、腰椎脊柱分離症の状態から、上下の椎体の間ですべりを生じた状態です。分離症が、必ずしもすべり症になるとは限りません。

症状は、腰痛だけの場合と、腰痛と下肢痛がある場合があります。椎体と椎弓が分離した場所だけが痛むことは少ないです。痛みを発するのは、次のような場所が多いです。
①分離部の骨折による痛み(疼痛)
②不安定性による靭帯や筋肉の痛み
③椎間板性の痛み
腰椎脊柱分離症だけの場合は、靭帯や筋肉の痛みが多いですが、すべり症になると下肢痛を伴うことがあります。

原因

腰椎脊柱分離症・すべり症は、腰の疲労骨折の一種です。発育期に、腰椎をオーバーユースし、疲労骨折することが主な原因とされます。中学、高校で本格的にスポーツを開始する時期に、脊椎に負担がかかることで生じやすいです。

腰椎脊柱分離症は、腰椎の5番目に多く発症します。

腰椎椎間板ヘルニア

症状の特徴

腰椎椎間板ヘルニアは、腰の椎間板が後方に脱出することで、腰痛や下肢痛、シビレや放散痛を生じます。

椎体や椎間板はいくつも連なって背骨を形作っています。腰椎は、上からL1、L2…と番号がついています。どこの椎間板が脱出したかで、痛みを生じる場所が異なります。
・L4神経根:大腿前面〜膝内側
・L5神経根:大腿外側〜下腿外側や腓腹筋〜足背
・S1神経根:臀部〜下腿後面〜踵部

腰椎椎間板ヘルニアは、①L4−5間②L5−S1間③L3ー4の順に多いとされます。またに男性に多いのも特徴です。

原因

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板が変性し、水分含有率が低下すると生じやすいです。

座ったり、立ったまま前かがみになると、椎間板には体重の2.5倍の圧がかかると言われています。このような動作を繰り返したり、腰を捻じるなどして負荷が加わると、椎間板を変性させやすくなります。

スポーツ=腰痛というわけではなく、スポーツは腰椎椎間板ヘルニアを招くとも、抑制するとも言われています。ただし、腰をそる、曲げる、捻じる動作が多いと筋肉などに負担がかかりやすいです。組織が微細な損傷を起こすことで運動時に痛みを生じ、痛みをかばって運動することで椎間板が変性しやすくなります。

・捻じり・ひねり:野球、サッカー、テニス
・屈伸運動:体操、水泳、バレー、バスケットボール
・軸圧:ラグビー、アメフト、柔道など
上記のようなスポーツが、腰を痛めて発症しやすいです。

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