四総穴とは、足三里・委中・列欠・合谷の4つの経穴を指し
体のある部位に、特別な治療効果をあげるツボのことをいいます。
「吐腹三里に留め、腰背委中に求める。頭項列欠に尋ね、面口合谷に収める。」
文献:鍼灸聚英
総穴 | 治療部位 |
合谷 | 顔面部の病症 |
列欠 | 頭部・項部の病症 |
足三里 | 腹部の病症 |
委中 | 腰背部の病症 |
四総穴のツボについて解説していきます。
合谷で顔面部の症状を改善
気血論では肉の大会する「谷」とし、小会する「谿」としている。
本穴は母指とと示指が合うところでもあり指を開いた時の形が深い谷のようであることから
「合谷」と命名された。
主治
・頭痛、鼻血、鼻血、歯痛、咽痛、目赤腫痛など
・経絡の気を巡らせる作用:疎通経絡
・美容鍼などではリフトアップ効果をより高める事ができる。
列欠で頚肩のコリを改善
「列」は「裂」に通じ、分解する、別行するという意味がある。「欠」は器の裂け目の意味がある。本穴は手関節の橈骨釜状突起の裂け目と経絡がここから別行することから命名された。
主治
傷風(高熱を伴う風邪のこと)頭痛、項強(いわゆる頚肩こり)咳嗽、気喘、咽痛など
→呼吸器疾患の治療にも効果的
足三里で腹痛を改善
「里」は邑(むら)居および集会通達の意味を指す。
「三」は膝下3寸を指し、手の三里と区別するため足三里と名付けられた。
主治
胃痛、嘔吐、腹張、便秘、下痢、下肢のシビレなど
本穴は脾胃病床の主要穴。脾には運化作用がありこの機能が落ちると消化吸収が悪くなり栄養を全身に送りずらくなり体の不調につながる。
歩行やランニングしている方は足三里のある前脛骨筋の緊張が強くなります。昔の人は三里歩くこのツボを押していたそうです。
委中で腰の痛みを改善
「委」は湾曲を指す。本穴は膝を屈曲するとっその中間に位置するので委中と命名された。
主治
腰痛、下肢シビレ、腹痛、小便不利(小便が出づらい、尿量減少のこと)など
腰背部の強ばり、痛み、半身不随を治療する常用穴です。筋筋膜性の腰痛はまずここを押して痛みが改善するか確認します。
局所だけ治療するだけでも効果はありますが、四総穴を使うことでより治療効果を
さらに上げる事ができます。
四総穴がすべてではありませんが、治療には欠かせないツボであるのです。